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自我の成長に向けて

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花の背景・壁紙イラスト-自転車に乗る女性・蝶


前回のブログです

つづきです

 それでは、理性や真理といったものはどこにあるのでしょう。それは私たちのからだの中にあるのではなくて、普遍的な、宇宙的な秩序、真理として存在しているものです。それを人間にもたらすものがアストラル世界です。アストラル体と自我は人間が眠りにつくと、肉体から離れ、再びアストラル世界の真理に触れ、目覚めと共にそれを私たちにもたらします。

 これは私たちが日常経験していることからも知ることができます。誰かといさかいが起きた時、非常に感情的になっていたとしても、翌朝になるとそれを客観的に見直すことができる、という経験をされたかたは多いでしょう。「一晩寝てから考えよう」とも言います。自分の感情だけに頼るのではなく、物事を損得だけで見るのではなく、朝起きたときに冷静に物事を見つめ直すことができるようになっているということは、人間としての立脚点をもう一度見直すことができるようになったということです。

 このようなことは、日々の生活の中で、ともすれば失われがちな人間の理性や真理に立ち返ることであり、人間が起きている間繰り返される思考過程に疲労したアストラル体と自我が、睡眠によって故郷であるアストラル世界に帰ることで、再び秩序をもたらすことができるようになったということに他ならないのです。この様子から子どもの時に現われている受肉過程(アストラル体、自我が成長に伴って子どもの体と結びつく様子)は大人にも毎日繰り返されていることがわかるでしょう。

 睡眠によってこのようなことができるようになるのは、思春期以降です。それ以前の、小学校の6年間は「第二・七年期」にあたります。

 この時期になると、成長させるという活動から自由になったエーテル体の諸力はアストラル体の諸力と一緒になって思考力に働きかけ、感情生活を豊かにし、視野を広めてゆきます。一方この「第二・七年期」はからだを成熟させる時期にもあたりますから、アストラル諸力に変容したといっても、その役割だけに従事することはできずにいます。「第一・七年期」で構築した肉体を成熟させる必要があるのです。

 肉体的な成熟は声変わりや初潮という現象によって明らかになります。さらにこの時期には呼吸も整ってきます。アストラル体は気体要素によって人間を捉えていますから、呼吸が幼児期に比べて深く、しっかりとした、自分自身のものになっていきます。胸部器官である肺と心臓のリズムが、固有のものとして正しく構築されるのもこの時期です。

 「第三・七年期」になると、アストラル体は外界の出来事をハッキリと意識化し、それを自分の内部へと働かせることができるようになります。アストラル体の諸力が自由に、知的活動に専念しているからです。知識は単なる情報の寄せ集めではなく、順序だてられ、知的思考を形成します。真の意味での高等教育が可能になるのです。

 この時期には、自分の生き方について悩むことも多くなります。自分がどのような存在であるのか、何のために生きているのか、というようなことに目が向くようになったのです。家族の中にあっても、自分はひとりだ、という強い孤独感に襲われるのもこの頃です。これは自我の誕生に向けて、いよいよ自分というものに気づき始めたからです。それまでの、いわば自己中心的な生活から視野が広がり、自分が属している社会に気づき、外側から自分を見ることができるようになってきたのです。そのため、自分がどう見られているか、ということを強く意識したりもします。他の人と自分が違うことに苦しんだり、逆に、他の人と同じようなものであるということにも苦しみます。自分の将来に向けて夢を描き、その夢に向けて踏み出そうとする時期にもあたります。

 出産の時に、産道を通るという苦しい思いをしてこの世に生まれでましたが、この時期も同じで、自分そのものである自我の誕生に向けて苦しんでいると言えるでしょう。

 自我が誕生する頃、それは社会一般からもひとりの大人として認められる時期です。

〈・・・続きは別の日にお伝えします〉

   シュタイナーに〈看護〉を学ぶ 世界観とその実践  大住祐子著 春秋社より抜粋


「成人後の成長」は また別の日にお伝えします。

画像サンプル-壁紙:横線-虫と草花


むずかしい箇所もありますが・・自分や子ども達の成長と照らし合わせると
なるほどね~~♪です。

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